かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:バーンスタイン 自作自演集1

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリをご紹介しています。今回と次回の2回にわたりまして、バーンスタインの自作自演集を取り上げます。

まあ、どこからかそんな有名な盤取り上げるの?っていう声も聞こえてきそうですが、しかし、この一枚目に収録されているのが、ウェストサイドストーリーだとすれば、さてその指摘はどうなんだろうって思います。いや、だからそんな有名な曲を?

・・・・・で、どこまで知っています?ウェストサイドストーリー。特にクラシックを聴いている人が、です。だってそもそもは、ブロードウェイのミュージカルです。オペラは高く評価する日本のクラシックファン。けれども、ミュージカルは低く見ますよね?それでどこまで知っていると?

かくいう私もその一人なんです。バーンスタインが作曲したのも知っているし、実は下記ウィキに出ているカナワとカレーラスが出ているドキュメンタリーも実家にいたときVHSで録画もしています。けれども、全体像って本当に知っていただろうか?という疑問と興味から、この音源は借りています。

ウエスト・サイド物語
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E7%89%A9%E8%AA%9E

このアルバムに収録されているのは、そのミュージカルから抜粋し編曲した、いわば組曲である「シンフォニック・ダンス」。これ、バーンスタインがあくまでもクラシックの作曲家である証です。なぜなら、バロックにおいて組曲とは、舞曲集のことを指すからです。それに倣っているんですね。ただし、ミュージカルが原曲ですから当然ですかバッハの時代に出てくるような舞曲は一つも出てきません。かろうじて出てくるのがフーガ。ですがそれも現代的。

シンフォニック・ダンス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E7%89%A9%E8%AA%9E#%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9

ですから意外や意外、超有名曲であるはずの「トゥナイト」や「マリア」が出てこないんです。あくまでも踊りについた音楽をまとめたものです。ですからミュージカルが好きな人は物足りないはずです。私もはじめあれ?って思いましたから。しかしこれが「組曲」であるとすれば、なるほどって思うわけなんです。さすがバーンスタイン。自分の音楽のルーツはあくまでもクラシックなんだよと、さりげなく宣言しているんですよね〜。ニクイ。

そのためか演奏はもうノリノリ。これはバーンスタインの指揮の特徴でもありますけれど、かといってテンポが速いのかと言えばそうでもないんです、これ。ところが聴くほうはノリノリに感じて、つい体を揺らしてしまう・・・・・・バーンスタインマジック、とでも言いましょうか。それアコーギクなど普通にクラシック音楽を表現する方法でたやすくできる話ではあるんですが、それを前面に出してしまうのはバーンスタイン流。これが自分の作品に新たな「命」を吹き込む、いわば「開眼」のような作業になっているんですね。素晴らしい!

実際、最後のフィナーレはアダージョ。これはさすがに外せなかったようで、トニーとマリアがともに息を引き取る場面。それを静かに終わらせるのも粋です。バーンスタインがこの「悲劇」をどのように見つめて作曲したのか・・・・・生命讃歌すら聴こえてきます。

で、続く「キャンディード」序曲も生き生きとした演奏!さすが作曲家の自作自演!と思いきや・・・・・

3曲目はバーンスタインではなく、実はガーシュイン。「ラプソディー・イン・ブルー」ですが、これがまるで自分の作品であるかのようにノリノリで生命讃歌!ホルンはぶっぱなすわ。けれどもこれがガーシュインの生命力なのかと思わんばかりの名演です。ピアノもバーンスタイン!指揮者としてしか知られていないもう一つの側面を私たちに教えてくれます。

さらに4曲目が、やはりガーシュインの「パリのアメリカ人」。これ、ミュージカルかと勘違いしてしまうんですが、実はそもそもは交響詩ガーシュインがシンフォニック・ジャズの様式で作曲しているので勘違いしてしまうんですよね。ちょうど劇団四季がミュージカルとして取り上げているだけに。けれどもこれは交響詩。リストが確立した純クラシック音楽なんです。パリにいるアメリカ人が感じたパリの様子を、これまたそこにいるかのように表現するバーンスタインとオケ。いやあ、もうフルコースでおなかいっぱいでつ。

と、この1枚目はいわば「バーンスタインの世界」とでもいうべき内容です。それでも十分楽しめますし、何よりもウェストサイドストーリーが俯瞰できるのがいい!真なる「自作自演」は2枚目となりますが、それは次回のお楽しみ!




聴いている音源
レナード・バーンスタイン作曲
ウェスト・サイド・ストーリー」〜シンフォニック・ダンス
「キャンディード」序曲
ジョージ・ガーシュウィン作曲
ラプソディ・イン・ブルー
パリのアメリカ人
レナード・バーンスタイン指揮、ピアノ
ニューヨーク・フィルハーモニック
コロンビア交響楽団(パリのアメリカ人)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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