かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:ラッスス シャンソンとモレスカ集

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリをご紹介しています。今回はラッススのシャンソンとモレスカを収録したアルバムをご紹介します。演奏はアンサンブル・クレモン・ジャヌカンなので、あ、持ってる!って人も中にはいるかも知れません。

このアルバムを借りてきたにのは伏線があります。以前、同じラッススのヴィラネッラとモレスカを収録したアルバムをご紹介しているかと思います。けれどもラッススといえばなんと言ってもシャンソンだったりするわけです。

マイ・コレクション:ラッスス ヴィラネッラとモレスカ集
https://yaplog.jp/yk6974/archive/808

オルランド・ディ・ラッソ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%BD

今回は詳しい説明は私のエントリとウィキとして割愛します。ラッススが下層の人たちに暖かい目と興味をもっていたことがわかる作品たちがずらりと並んでいます。そもそも、ラッススが生きた時代は作曲家も決して上流とは言えず、むしろ下層に近い存在だったと言えますし。下層の人たちよりは収入が良かっただけ、です。

そしてです、私はラッススの宗教曲よりも断然これら世俗曲のほうが大好きです。何が魅力かといえば、その卑猥さです。といえば、まあ、たいてい引かれるんですが・・・・・

けれども、ラッススの世俗曲に卑猥さがあるのは事実ですし、それをおかしく表現しつつも一つの芸術へと昇華しているということは、ラッスス自身、その卑猥さにとても興味があったということでもあります。そしてそういう音楽もまた、社会において要求されていた、ということでもあるんです。そしてそれは、ラッススが生きた16世紀イタリアという時代が、如何に現代の日本よりも開放的だったのかを物語ります。

皆さん、我が国の音楽シーンを思い返してみてください。JPOPやロック、R&Bでもいいです、ラップでもフリースタイルでもいい。ラッススほどの卑猥さと上品さを兼ね備えた作品が存在しますか?しないです。しないからこそ演奏する歌手も団体もない。かろうじてサザン・オールスターズがギリギリやってるかな、って感じです。そんな社会が真に自由で、開放的でしょうか?

演歌に至っては恋はあっても色がない。そんな状況なんです。けれどもラッススの世俗曲には、色恋が溢れており、時としてそれは卑猥でもあるんです。その衝撃たるや!

演奏としては、アンサンブル・クレモン・ジャヌカンはコンチェルト・イタリアーノに比べればまだ真面目だと言えますが、そうは言ってもおどけている部分は殆ど両者変わりません。どっちにも収録されている「アララ〜、ピア、カリア」は演奏としては私はコンチェルト・イタリアーノを推しますが、アンサンブル・クレモン・ジャヌカンが駄目ってわけでもないんです。ラッススの作品の特徴をよく掴んだ上で咀嚼し、自分たちの言葉で表現しているので、これもまたおかしくってたまりません!

でも、その「おかしくってたまりません!」ということこそ、ラッススの世俗曲を表現するときには大切なスタンスだと思っています。アンサンブル・クレモン・ジャヌカンのメンバーたちが、作品を十分に味わい、楽しんでいるのが演奏から本当に伺えるんです。そのためこちらも本当に楽しいし、「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」という卑猥な部分の表現もばっちし!これぞプロですね。こういう表現ができることが基礎としてないと、例えばもっと真面目な曲をはっきりと表現することは日本人には無理なのではないかって思います。

その意味では、私達日本人がクラシック音楽を表現するために必要なことは果たして真面目なことだけなんだろうかと、考えさせられるのです。

なお、収録曲はこのアルバムが輸入盤だったがために、アマゾンの以下のページをご紹介しておきます。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B9%E3%82%B9-%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%83%A2%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%82%AB%E9%9B%86-%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%8C%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB/dp/B00005FA7A




聴いている音源
オルランドゥス・ラッスス作曲
シャンソンとモレスカ集
アンサンブル・クレモン・ジャヌカン

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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