かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:伊福部昭 傘寿記念シリーズ2

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、伊福部昭の作品をシリーズで取り上げていますが、その最終回となります。伊福部が90歳の記念、卒寿を祝って開催されたコンサートの記録の第2集です。

以前、このブログでも取り上げられた作品が並んでいますが、いずれもアマオケである新響の素晴らしい、生命力あふれる演奏が楽しめます。

まずは、「日本組曲」。ここでもプロオケ、アマオケの演奏を取り上げてきましたが、意外と素晴らしいのはアマオケに偏るのは不思議です。特にこの新響さんの演奏は2012年のダスビの演奏を彷彿とさせます。私が持っている音源の中では1、2位を争う演奏です。

コンサート雑感:オーケストラ・ダスビダーニャ第19回定期演奏会を聴いて
https://yaplog.jp/yk6974/archive/930

プロオケは多分、美しさにこだわってしまうんでしょう。勿論、それは大切な要素なのですが、もっと大切なのは、作品が持つ生命力を、自らの技術でどれだけ引き出すか、だと思います。野性的ならその野性を美しいアンサンブルのなかで如何に実現するか。それを考え抜き、実現するのがプロだと思います。

それを、何とアマオケがやってしまっています。勿論、アマオケだからこそ美しさには限界があるのが普通なのですが、新響さんはアマオケ特有の痩せた音が皆無なんです。そこに、アマチュアならではの「想い」が重なる時、名演が生まれる・・・・・伊福部の作品に関しては、そう思います。

同様なのが、次の「シンフォニア・タプカーラ」。以前、緊急地震速報の元となったとご紹介した作品です。第3楽章のその音型はプロよりも聴き取りやすいので、わかりやすいかと思いますが、それよりも素晴らしいのはやはり、作品が持つ野性味とそれによる生命力が顕著であることです。決して野蛮ではなく、ふくよかなのに野性味があり、だからこそ生命力が顕著なのです。

最後の「SF交響ファンタジー第1番」は格別!ゴジラだけではなく、さまざまな作品のオマージュとなっている作品を、これも野性味と美しさが生命力をもって同居すると言う、プロオケ顔負けの演奏をしています。

実は、借りたのはアマオケでどこまでやれるんだろうという興味本位だったのです。勿論、聴いていない作品を聴くという側面もありましたが、この第2集に関しては以前聴いた作品をアマオケではどのように演奏するだろうかということからだったのですが、いやあ、プロよりも下手すれば素晴らしい演奏が聴けるとは、夢にも思いませんでした。

指揮者は「炎のコバケン」こと小林研一郎と、原田幸一郎。この二人と、新響さんの相性がいいんだと思います。特にコバケンとの相性は抜群だと思います。原田さんともいい!どちらもオケの「想い」を引き出すのがうまいと思います。新響さんのサイトを見ていると、指揮者が練習で出す指示が的確!そりゃあ、いい演奏につながっていくよねって思います。

では、プロオケは?ということです。本当に作品の「魂」を楽譜から読み取っているのか?ということです。日本人の民族の血が騒ぐリズムは、決して上からのものではなく、私たち一人一人に宿っているはずです。その「内面性」を如何に音楽として現出させるか・・・・・・このアマチュアの演奏はそのヒントに満ち満ちていると言っていいでしょう。




伊福部昭作曲
管弦楽のための《日本組曲
シンフォニア・タプカーラ(改訂版)
SF交響ファンタジー第1番
小林研一郎原田幸一郎指揮
交響楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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