コンサート雑感、今回は平成30年7月29日に聴きに行きました、ガリマティアス・ムジクムの第39回定期演奏会についてです。
え、がりま・・・・・なんだそりゃ?って思う方も多いかもしれません。まあ、ドイツ語ですから、無理もありません。
http://www.galimusi.net/introduction.html
もう、このように団の紹介を御紹介するほうが早いです。モーツァルトのK.32の題名からつけられたこのオケは、実に素晴らしいオケだと思います。
なぜなら、聴衆に対し、メッセージを伝えようとする思いがひしひしと伝わってくるからなのです。演奏中体は揺らしますし、カンタービレしようとするその姿勢が良いなって思います。
それだけに、指揮者がねえ・・・・・
今回のプログラムは、以下の通りです。
�@メンデルスゾーン 「真夏の夜の夢」序曲
�Aモーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」
�Bベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調「田園」
いやあ、おなかいっぱいでつ・・・・・交響曲を2つもってくるなんざあ!
1プロのメンデルスゾーン。中間部の旋律が有名な作品ですが、解釈としてはそこを目立たせるのではなく全体を俯瞰するのはとてもよかったと思います。その上で団員が演奏を楽しんでいるのが見て取れるのがほんとうに微笑ましかったです。
2プロのモーツァルト。「ジュピター」はあまりオケによる差が出ない曲ですが、生き生きとしているのは本当によかったです!テンポも若干速めという感じで、これは素晴らしいなって思いました。
で、期待膨らむメインの「田園」なのですが・・・・・終わった途端、一緒に来ていた合唱団時代の友人と開口一番「なんだか急ぎ過ぎていた」と。
どこかせっかちなんです。多分、指揮者は古典派的なきびきびとしたテンポを要求したと思うんですが、オケがそれについて行っていないと言うか、先生、そこはもっとカンタービレさせてください!という叫びのようなものがあったと思います。
一緒に行った合唱団時代の友人も私がもっとカンタービレさせてあげればいいのにと言いますと同感だとのことでした。まるで宮前フィルハーモニー合唱団「飛翔」の定期演奏会でモーツァルトの戴冠ミサを演奏した時と一緒、なんです。
あの時、指揮者の守谷弘氏は、モーツァルトの戴冠ミサのクレド以降でテンポが明らかにゲネプロと変わったのです。理由は、時間が迫っていたからという・・・・・団員全員あっけにとられたものです。その時にそっくりだったのです。
取りあえず、私たちはタクトについていきましたが、演奏しながら明らかにゲネプロと違うやん!と思っていました。そんなもどかしさが、今回のガリマティアス・ムジクムさんにも出ていたように思います。
実際、十分にカンタービレした第5楽章は本当に素晴らしく、実は私はあまりにも素晴らしくて涙を浮かべていました。素晴らしいオケなのですが、まだ指揮者の要求にすべて答えれらる訳ではないことを、指揮者が認識しておく必要があるんじゃないかな〜って思いました。
それにしても、ルネこだいらをフランチャイズとして活動するオケはどれもポテンシャル高いのが驚かされます。このガリマティアス・ムジクムにしても、小平市民オケにしても、その実力の高さは折り紙つきだと言えます。下手なプロオケに行って不満を垂れているくらいなら、交通費かけても小平まで行くべきだと思います。特に小平市民オケは今年第九を演奏しますしね・・・・・
とにかく、指揮者の広井氏は、もっとオケと対話するほうがいいように思います。どのようなテンポが、このオケにはもっとも実力を発揮しやすいのか。そこを探るのも指揮者の仕事だと思うからです。せっかくの素晴らしいオケが、その実力の半分しか表現できないのであれば、年1回の定期演奏会ならかわいそうだと思います。宮前フィルのように半年に1度やっているのならともかく・・・・・
その意味では、来年はどのように変わっているのかが、楽しみなオケでもあります。是非とも来年も聴きに来たいなあって思います。
聴きに行ったコンサート
ガリマティアス・ムジクム第39回定期演奏会
フェリックス・メンデルスゾーン=バルトルディ作曲
「真夏の夜の夢」序曲・夜想曲(アンコール)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲
交響曲第41番ト長調K.551「ジュピター」
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
広井隆指揮
ガリマティアス・ムジクム
平成30(2018)年7月29日、東京小平、ルネこだいら大ホール
地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
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