かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:飯守泰次郎 ベートーヴェン交響曲全集4

今月のお買いもの、平成29年1月に購入したものを御紹介しています。今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、飯守泰次郎指揮東京シティ・フィルのベートーヴェン交響曲全集の、第4集です。

第4集は第7番と第8番が収録されています。作品番号で連続するこの二つの作品を、飯守氏は明確にキビキビとしたリズムで統一させています。その点で、飯守氏の解釈は、第8番までは古典派の作品という意識を持っているとみていいでしょう。

特に第7番の第1楽章、あの「のだめ」でもテーマに使われた旋律が出てくる部分はゾクゾクします!力強くかつしなやかで、豊潤な音の塊が、各パートの音をしっかり伴って私たちの耳に飛び込んできます。

日本人には難しいとされる第7番を、他のオケに全く引けを取らない演奏でまとめてくるのはさすがとしか言いようがありません。第8番もいいテンポで疾走しますが、二つとも全く軽薄な部分がなく、ある意味どっしりとしているのに、テンポとしては快活なので、とても爽快です!

ベートーヴェンの「傑作の森」である中期の、頂点を極めると言ってもいいこの二つの作品は、精神性の深みという意味においては、第5番には遠いかもしれません。しかし、ハイリゲンシュタットの遺書を境にして、自らの人生をかけて芸術にまい進するベートーヴェンの、一つの答えがこの二つの交響曲です。

第7番の特徴的なリズムは、交響曲というクラシック音楽のメインになろうとしているジャンルにおいて、民謡的な要素を取り入れて、それを芸術の高みへと昇華させるという、19世紀末〜20世紀初めにかけての音楽を先取りした作品だと言えますし、第8番はその後登場する新古典主義音楽を先取りしたものとも言えるのです。その二つの作品はアンサンブルにおいては難しいとされていますが。そこはさすがプロ。さらりと演奏しています。

本当にヘヴィーローテーションで聴いても聴き飽きず、もう少し聴いていたいよぅって思います(いやあ、余り長いと他のエントリ書けません)。特に第7番は名演だと言ってもいいんじゃないかって思います。残響は確かに東京文化会館ですからそれほどいいとは言えませんが、魂のこもった「情熱と冷静の間」がしっかり取れているこの演奏は、本当に素晴らしいと言えるでしょう。

ようやく日本のオケが海外オケにキャッチアップしてきたのかなと予感させる演奏でしょう。




聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第7番イ長調作品92
交響曲第8番ヘ長調作品93
飯守泰次郎指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
(fontec FOCD9441)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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