かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ボッテジーニ コントラバス協奏曲他

今月のお買いもの、平成27年9月に購入したものをご紹介しています。今回は、ディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、ナクソスから出ているボッテジーニの作品集をご紹介します。

さて、またまた聴き慣れない作曲家が出てきました。ボッテジーニって、誰?ってとこですね。コントラバスの名手だった人で、コントラバスのための作品を多く作曲した人です。

ジョヴァンニ・ボッテジー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%8B

経済的に豊かであれば、名ヴァイオリニストとして名をはせていたかもしれませんが、コントラバスの名手となり、「コントラバスパガニーニ」と言われたからこそ、歴史に名を残せたのかもしれません。この時代は、ヴィルトォーソの時代でしたから・・・・・

さて、コントラバスと言えば、弦楽器では一番低音の楽器です。それだけに、どうしても音が小さくなりがちなのが欠点で、そこをボッテジーニは様々な手法を使って作曲しているのが面白いところです。

オペラの序曲などである、1曲目、3曲目、そして6曲目は管弦楽曲なのでごく普通の作品ですが、それ以外のコントラバスが入る作品では、後期ロマン派の作曲家でありながら、まるでバロックのように、編成を小さくしてみたり、オケの音を小さくしてみたりしているのが印象的です。

例えば、コントラバス協奏曲ハ短調でいえば、この作品はそもそも嬰イ短調の作品として有名なのですが(ウィキではそうなっています)、このアルバムでは元々はこのハ短調なのであり、嬰イ短調はその後改訂された時に移調されたという事です。私はこの原曲は素晴らしいと思っています。

コントラバスが低音部であるという事は、オケの音に埋没するという事なのです。それを防ぐために、弦楽合奏とのアンサンブルになっているのですね。恐らく、管楽器を入れるとなって、移調したのでしょう。さらに、後期ロマン派の作品らしく導入部ではオケと独奏楽器が必ずしも同じ旋律を奏さないにもかかわらず、コントラバスが奏するときはオケの音を小さくさせています。これはまさしく、バロックの手法なのですね。

新古典主義音楽はもっと後の時代の様式ですが、先取りするような温故知新ぶりで、後期ロマン派というには多少枠から外れる作曲家であろうと思います。しかしながら、協奏曲以外は基本ロマン派の香りがする作品となっており、大変面白い作曲家だと思います。

こうなると、さらに有名な第2番なども聴いてみたいところです。そもそも、このボッテジーニという作曲家、某SNSのイベントで採り上げられており、その時には第2番と、少し時間をおいて協奏交響曲が取り上げられていますが、こういった作品群からみれば、やはりロマン派の作曲家なのですよね。でも、聴いてびっくり玉手箱!ってやつですね。

演奏家としても素晴らしかったのでしょうが、こう残された作品を聴きますと、作曲家としても秀でていたと言えるでしょう。時代の主流にこだわらず、自ら選択した「コントラバス」という楽器を目立たせるには、どういった作曲手法がいいのかを、真剣に考えた人だったと言えるでしょう。その結果、必ずしも時流に合わせる必要はないという結論に至ったのだと思います。

ボッテジーニが作曲を学んだ時代は、古典派の作品が多く演奏され、さらに前期ロマン派の作曲家たちが活躍していた時代です。その影響を強く受けていると言えるでしょう。だからこそ、聴いていて飽きませんし、面白くて何度も繰り返し聴いてしまいます。

こういった作品に出会えるのは幸せですね〜。某SNSで取り上げられた時に出会えればもっとよかったですが、何分、当時は忙しかったように思います。4年ほど前、震災の後で需要がひっ迫し、仕事が忙しかったような気がします・・・・・

出なければ、4年前であれば今よりは忙しくなかったので、参加していたはずなのですね。でも、参加していないという事は、時間がなかったはずなのです。ですから、私もボッテジーニは知らなかったのです。コントラバス協奏曲という帯で、興味を持って買ったのですから。

コントラバスによる協奏曲があること自体は、そのイベントでたしか他の作曲家のものが取り上げられた事があったので知っていたのですが、それでも、私自身は聴いたことがなく、ずっと聴きたいと思っていたジャンルだったので買ったのですが、それがボッテジーニで良かったなあと思います。いやあ、もっと聴きたい作曲家ですねえ。他の協奏曲や管弦楽作品では、どんな様式が使われているのか、楽しみで仕方ありません。

こういったワクワクをくれる作曲家は、いずれ私のヘビーローテーションの一つに入っていくはずなので、今後も追いかけていければと思います。




聴いているCD
ジョヴァンニ・ボッテジーニ作曲
歌劇「エロとレアンドロ」序曲
コントラバス協奏曲ハ短調嬰イ短調のオリジナル版)
歌劇「夜の悪魔」シンフォニア
2台のコントラバスとオーケストラのためのパッショーニ・アモローソ
ニ調のエレジー
歌劇「アリババ」序曲
チェロ・コントラバス管弦楽のための「ベルリーニの清教徒からのテーマによる二重協奏曲」
トーマス・マーティン(コントラバス
モーリス・ウェルシュ(チェロ)
フランコ・ペトラッキ指揮・コントラバス
マシュー・ギブソン指揮
ロンドン交響楽団
(Naxos 8.570398)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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