かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:東京ユヴェントス・フィルハーモニーの「ブル5」

今月のお買いもの、平成27年8月に購入したものをご紹介しています。今回は東京ユヴェントスフィルハーモニーの演奏会で購入したブルックナー交響曲第5番のCDをご紹介します。レーベルはALTUS。

ブルックナー交響曲第5番については、このブログでもご紹介したことがありますが、その時はプロオケでした。今回はアマオケです。

このCDを購入しようと思ったきっかけはまさしく、先日聴きに行きました、東京ユヴェントスフィルハーモニーの演奏が素晴らしかったことにつきます。

第5番と言えば、ブルックナー終止が完成されてきたころの作品で、ワーグナーへの傾倒も顕著になってきたころの作品です。その上で、ブルックナーがオルガン奏者出身であることを反映するような、コラールの頻出や対位法の使用などが特長です。

となると、アンサンブルとしてはかなり難しい作品であるということを意味します。さすがの東京ユヴェントスフィルハーモニーも、そのあたりでは苦労していて、各パートがもやもやとしてしまう部分も散見されるのですが、ごちゃごちゃになっていないのが素晴らしいです。

それでいて、アマチュア特有の痩せた音が全く見受けられないというのも素晴らしい点でしょう。確かに、プロオケのほうが素晴らしいとは思いますが、この演奏はアマチュアとしては最高峰だと言っていいでしょう。さすが、ALTUSから出るだけのことはあると唸らされます。

バッハのコラールのように、同じ旋律が繰り返されて徐々に上りつめていくその旋律を、丁寧にしかし、ドラマティックに演奏しきるのは感動ものです。ブルックナーがどういった作曲家なのかが、団員に意思統一されていると思います。まだ若い坂入氏がそれをオケに要求して、実現できているのは本当に素晴らしい!

恐らく、いまどきの若い人たちが意思統一できているのは、まさしく、上意下達ではなく、指揮者とオケの共同作業であろうと思います。音楽を奏でる喜びが、演奏からビンビン伝わってきます。それがまさに、その繰り返し部分に集約されているのです。

丁寧なリズム感、そして秀逸なアンサンブル。アインザッツはやや弱めながらも、決して弱くはなく、ffの部分では力強くもあります。ppとffの差が大きく、CDプレーヤーでは必ずしもppが拾えないことすらありますが、それだけppの部分を演奏するのに自信を持っていることを示しています。幸せ〜

マチュアの演奏を聴いて、これだけ幸せになれる演奏もそう多くはありません。勿論、私がその経験をしていないというわけではなく、卒業大学である中央大学のオケや合唱団からはたくさんそんな経験が与えられたと思っています。それでも、この演奏を聴いて幸せだと思うのです。優しい弦、ふくよかな金管・・・・・

どれをとっても、「演奏しているのがうれしい!」という声に聴こえます。それは団員の、この作品に対するリスペクトなのかもしれません。この第5番を作曲した当時のブルックナーは、作曲家としては求められ始めたものの、ワーグナー派であったがゆえにウィーン大学では無給の講師としか認められなかったのです。

オルガニストであるにも拘らず、シンフォニストとしての安定を望んだブルックナーですが、ワーグナー派であるということがその「安定」に邪魔をしていたわけですが、しかし作品には、シンフォニストとして認められ始めたその喜びのほうが勝り、第1楽章や第3楽章、そして第4楽章では躍動感もありますが、それこそこの作品にブルックナーがこめた「喜び」のように私には見えるのです。

そこを団員も感じ取って、リスペクトしているように私には感じられます。喜びを皆で分かち合う・・・・・そんな演奏になっているように思います。それはこの演奏がライヴ、つまり定期演奏会の記録であるという点にもあるのでしょう。自分たちの想いを聴衆に知ってほしいという、気持ちもあるのではないかと思います。

プロオケの演奏も素晴らしいですが、ブルックナーの第5番という作品が持つ魅力を、この演奏は団員たちの情熱が充分に語っているように思われる、素晴らしい演奏だと思います。




聴いているCD
アントン・ブルックナー作曲
交響曲第5番変ロ長調WAB105
坂入健司郎指揮
東京ユヴェントスフィルハーモニー
(ALTUS ALTL005)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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