かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:グールドのバッハ 平均律クラヴィーア曲集2

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、グールドが弾くバッハの平均律クラヴィーア曲集の今回は第2集を取り上げます。

第1集の途中からと第2集が収められていますが、どれも快速グールドという印象とは異なっています。落ちついていると言えばいいでしょうか。

過度に重厚でもなく、かといって軽薄でもない。まるで古楽のような演奏が、モダンピアノで実現されています。

それは私にとって、衝撃でした。バッハと言えば古楽で来た私にとって、古楽演奏勃興期に相当する時期に録音されているこの演奏は、モダンピアノであってまるで古楽だったからです。それでいて、文字通りなんとモダンなんだろう!

この演奏からは、グールドの魂が聴こえてきます。そう、心でもなく、心理でもなく、精神でもなければ、魂なのです。

え、重厚ではない演奏で魂だって?おかしいんじゃないの?というご意見もあろうかと思います。では、魂から喜んでいる時は、どんな演奏になるでしょうか?本当に重厚なえんそうになりますでしょうか。

勿論、レッテル張りをするつもりはないんですが、決して重厚な演奏にならないような気がするのです。もっと、荘重というか。

グールドのタッチは、決して重くありません。むしろ聴いていて軽いかと思います。でも、聴こえてくるのは、真摯な姿勢から生み出される「演奏する喜び」なのです。

バッハの作品には舞曲が多く使われています。この平均律クラヴィーア曲集でもそうです。それを軽やかに、でも真剣に弾いているその内側には、グールドの魂の喜びが感じられます。

前回、グールドの伝記映画をご紹介していますが、その映画をご覧になられた方はうっすらと判るのではないかと思うのです。グールドという演奏家は、ピアノという楽器の、その源流へと辿りつこうとします。徹底的に研究して演奏に臨むその姿は、天才というよりは生真面目と言ったほうがいいのではないでしょうか。

勿論、グールドは私は天才だと思います。そしてその能力を、音楽と真剣に向き合うことで最大限発揮して、素晴らしい演奏を私達に届けることに製鋼しています。この第2集でもいささかも第1集と異なることなく、天衣無縫で、軽やかで、ゆえに喜びに満ちています。

これが、バッハの書いた実用を兼ねた教材だと言うのですから・・・・・

グールドの魂から、それをしっかりと教えられる気がします。




聴いている音源
平均律クラヴィーア曲集第1巻
24の前奏曲とフーガBWV862〜869
平均律クラヴィーア曲集第2巻
24の前奏曲とフーガBWV870〜877
グレン・グールド(ピアノ)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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