かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:シュポア ヴァイオリン協奏曲第6・8・11番

今月のお買いもの、平成27年6月に購入したものをご紹介しております。今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、シュポアのヴァイオリン協奏曲のアルバムをご紹介します。

欲しかったのです、シュポアヴィイコン・・・・・

何故なら、シュポアはそもそも、ヴァイオリンのヴィルトゥオーソだったからです。

ルイ・シュポーア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%82%A2

シュポアの作品を見てみると、交響曲もさることながら、ヴァイオリン協奏曲と弦楽四重奏曲あるいは弦楽五重奏曲が多いことに気が付くかと思います。これはつまり、シュポアがヴァイオリンのヴィルトォーソであったことを物語るものです。

ならば、弦四もしくはヴァイオリン協奏曲が聴きたいと、取り上げた時からずっと思ってきたのです。それがなんと短期間で実現するとは・・・・・

シュポアの作品は、本当に録音が少ないのです。音楽史に置いては重要な役割を果たしており、楽曲も数多く作曲している割には、少ないのですね。その中でこういったアルバムに巡り合うことは、とても幸せであると思います。

さて、このアルバムでは、15曲あるヴァイオリン協奏曲の内、第6番、第8番、第11番を収録しています。第6番が1808年〜9年、第8番が1816年、そして第11番が1825年に作曲されています。

つまり、第6番と第8番は古典派、第11番は前期ロマン派の時期に作曲されたことになります。しかし、音楽的にはそれぞれ、ロマン派の範疇に含まれるように思います。

第6番と第8番はレチタティーヴォを採用し、協奏曲としては一見古風に見えますが、ヴィルトォーソとして「魅せる」効果を持つと思います。第8番は「劇唱の形式で」という題が付いていますが、劇唱、つまりオペラのアリアで最後盛り上がるように終わるということを意味していますが、この第8番に限らず、この3つの作品はフィナーレは独特の終わり方をします。まるで、終わっていないかのように終わるのです。

そこまで手を込まなくてもなあと思います。もしかするとそれがシュポアの作品が聴かれない原因だとすれば、寂しいですね。交響曲はそんなことはないんですが・・・・・

ただ、古典派までは協奏曲が交響曲より上位を占めた時代なので、歴史の中で評価として低く定着してしまったのかもしれません。やはり、人間は最後「終わった」と感じる和音を好むものなので・・・・・つまりは、保守的なのです。

かといって、この3つの作品は決して不協和音が鳴り響くわけでもないですし、和声がないわけでもないのです。ただ、ふつう来るべき和音が来ていないというだけ、なんです。それはシュポアが作曲した時代、思いっきり珍しい(いや、あきれられた)ものだったことでしょう。

その意味では、シュポアという作曲家は、常に新しいことに挑戦していた作曲家であったということを、私達に教えてくれます。

演奏は、ソリストはとても流麗で、しかも常に喜びに満ちた演奏を呈示します。うわべだけではなく、シュポアがどんな顔をして演奏したのだろうというような、想像を私達にさせてくれます。第6番ではアクセントが面白く、決して嫌味ではなく聴こえますし、他の2曲でも、ヴィルトォーソシュポアの姿が浮き彫りになるような、しっかりとしつつ、喜びに満ちた演奏が鳴り響きます。

古典派のヴァイオリン協奏曲と言えば、モーツァルトベートーヴェンを思いだすことでしょう。そしてその後となると、メンデルスゾーンくらいしか教科書で教えてもらう作曲家だといないわけですが、しかし、このシュポアだったり、ヴュータンだったり、あるいはヴィエニャフスキだったりがいたことで、とても豊かな裾野があったことを教えられますし、またヴィルトォーソとしては、パガニーニだけではないということも、私達に教えてくれるのが、このようなアルバムの素晴らしい点だと思います。

ソリストはそれを意識してか、真正面から作品に取り組んでいるのが演奏から見え隠れします。オケとの息の合った協奏は、音楽を文字通り「楽しんでいる」ことを私達に伝え、そして聴いている私たちも、知らず知らずに楽しんでいるのです。

それはやがて喜びになる・・・・・こういった演奏が、安価で手に入れられるこの時代は、素晴らしいと思います。




聴いているCD
ルートヴィヒ・シュポア作曲
ヴァイオリン協奏曲第6番ト短調作品28
ヴァイオリン協奏曲第8番イ短調作品47「劇唱の形式で」
ヴァイオリン協奏曲第11番ト長調作品70
シモーネ・ラムスマ(ヴァイオリン)
パトリック・ガロワ指揮
シンフォニアフィンランディア
(Naxos 8.570528)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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