かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:モーツァルト ピアノソナタ全集1

神奈川県立図書館所蔵CD、今回からしばらく、モーツァルトのピアノ作品を取り上げます。モーツァルト全集からのご紹介で、まずはピアノ・ソナタを取り上げます。演奏は内田光子

ピアノ・ソナタと言えば、古典派では圧倒的にベートーヴェンなのですが、実はモーツァルト音楽史上重要な役割を果たしています。そもそも、モーツァルトはピアニストなのですから。

正確に言えば、モーツァルトチェンバロ奏者だったのですが、フォルテ・ピアノの成立後、いち早くピアノ奏者としての道を歩み始めます。そして、20曲以上のピアノ協奏曲を打ち立てることとなります。

これからご紹介しますピアノ・ソナタは、ベートーヴェンのものと比べれば重厚さなどで劣るかもしれませんが、優美さと内面性とのバランスが取れている、秀作ぞろいです。

まず、この第1回目でご紹介するのは、第1番から第5番です。実はこの5曲は、第6番を含め6曲の連作の中の5曲なのです。

ピアノソナタ第1番 (モーツァルト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF%E7%AC%AC1%E7%95%AA_(%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88)

ピアノソナタ第2番 (モーツァルト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF%E7%AC%AC2%E7%95%AA_(%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88)

ピアノソナタ第3番 (モーツァルト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF%E7%AC%AC3%E7%95%AA_(%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88)

ピアノソナタ第4番 (モーツァルト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF%E7%AC%AC4%E7%95%AA_(%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88)

ピアノソナタ第5番 (モーツァルト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF%E7%AC%AC5%E7%95%AA_(%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88)

一応、次でご紹介する第6番も。

ピアノソナタ第6番 (モーツァルト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF%E7%AC%AC6%E7%95%AA_(%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88)

ウィキでは、デュルニッツ・ソナタという言い方がなされていますが、デュルニッツ男爵に捧げられたとはっきりしているのは第6番だけで、後は不明です。ただ、この6曲がセットであるので、通称でそう呼ばれていることを付記しておきます。

全体的には、多感様式的なギャラント風となっていますが、それでも、中にははっとさせられる作品も多く、特に第3番以降はそんな音楽がちりばめられています。

番号順で作曲されたかも不明なのですが、番号順に聴きますと不思議なことに、なぜか一曲ごとに深みが増していくような気がします。内田さんの演奏は特に奇をてらうことはなく、しいて言えば、少しだけリタルダンドをかけている程度なのですが、なのに番号が増していく毎に、驚きが増していくのです。

番号順で聴くのは・・・・・という方もいらっしゃるかと思いますが、実はこの5つの作品、第6番を含めて6曲は、1774〜75年にかけて作曲されており、モーツァルトの青年時代なのです。決して幼年時代なのではないことに注目なのです。それはモーツァルトザルツブルクで宗教音楽と格闘していた時期に当たり、彼が一つ成長を遂げていた時期と重なります。

この6曲が作曲されたのはザルツブルクではなくミュンヘンですが、時期は一緒です。このブログのエントリを上げるのは文章が長くなりますので割愛させていただきますが、以前ミサ曲を取り上げた時に述べています通り、この時期のモーツァルトはコロレド神父の要求に応えるべく、ミサ曲と格闘していた時期であり、作品に深みが増していった時期です。前時代的なものがあったとしても、そこに革新性というか、深みというものがあって当然だといえるでしょう。

東京書籍「モーツァルト事典」では、専門的な見地からその新しさが触れられていますが、その一つの理由として、この作品がピアノであるということが挙げられるでしょう。そもそも、ピアノ・ソナタというジャンル自体、新しいものであり、確立していない時代だったのです。それを確立させようとするモーツァルトの進取の気風が、この5曲(第6番を含めた6曲)からは、演奏からもひしひしと伝わってくるのです。

専門的なことはここではあえて触れません。それよりも、当時の新しいジャンルであった「ピアノ・ソナタ」をモーツァルトがどう彩って行ったのか、できる限り触れていきたいと思います。この第5番までで言えば、いきなり途中の楽章で短調が採用されており、すでにベートーヴェンが用意されているかのような錯覚に陥りますが、交響曲でもなかなか取りいれなかった短調がすでに採用されているということこそ、モーツァルトがこの新しいジャンルにかける意気込みを、私は感じるのです。

内田さん、GJです!



聴いている音源
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
ピアノ・ソナタ第1番ハ長調K.279(189d)
ピアノ・ソナタ第2番ヘ長調K.280(189e)
ピアノ・ソナタ第3番変ロ長調K.281(189f)
ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調K.282(189g)
ピアノ・ソナタ第5番ト長調K.283(189h)
内田光子(ピアノ)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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