今年最初の「今月のお買いもの」は、まずベートーヴェンから参りましょう。カルロス・クライバーが振る、ベートーヴェンの交響曲第4番です。
このCDは、実は今月ではありません。先月末に、東京御茶ノ水のディスクユニオンで購入しました。
ディスクユニオン
http://diskunion.net/
中古と言えばブック・オフというイメージが強い人も多いかと思いますが、ここはLPの時代からの老舗です。本店は新宿にあります。今回はmixiで出会いました方に教えていただきました、御茶ノ水クラシック館での購入です。
お茶の水クラシック館
http://diskunion.net/shop/ct/ocha_classic
実は、私はディクスユニオンは名前だけしか知りませんでした。特に、ブリリアント・クラシックスや横浜関内のプレミア・ムジークで安い輸入盤を買い求めはじめてから、こういった店に行くことがそもそも念頭にありませんでした。
しかし、この一枚で、再考を強いられています。そもそも、枚数の多さは別格です!
今、新譜でもディスクユニオン程の品揃いをしている店があるでしょうか。それを考えますと、ここはぜひとも足を運ぶべき店であると思っています。今後、ディスクユニオンで購入したCDの御紹介が増えるかと思います。
で、今回まず2枚ディスクユニオンで購入したCDの内、ベト4を御紹介するということになりました。
このCDを買いました時に、実は月予算を使い切っていました。それでも購入したのには、案内してくださった方の手前もありますが、その値段です。このクライバーのは輸入盤で、700円です。
700円ですよ!クライバーの名演が、です。
オケはバイエルン国立歌劇場管弦楽団。線がそろった、正確な演奏で有名なオケです。それをクライバーが振っているからこそ、即決で購入を決めました。何しろ、700円ですから(ちょっとくどいですが、ご容赦のほどを。決してディスクユニオンの回し者ではございません)。
で、演奏は評価通りのアインザッツがそろった素晴らしい演奏です。そして、クライバーならではの、熱く情熱的な要素が加わった名演です。いつも私が述べています、「情熱と冷静の間」が取れている絶妙の演奏です。
カルロス・クライバー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC
バイエルン国立歌劇場
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%B3%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E6%AD%8C%E5%8A%87%E5%A0%B4
そもそもがクライバーの指揮は快刀乱麻などいろんな形容がありますが、とにかくリズム感からくる生命力あふれる演奏が多いのが特徴です。この演奏でもそれは顕著でして、その上でバイエルン国立歌劇場管弦楽団の特徴である「正確なアンサンブル」が聴き取れる名盤です。
以前、ヴァントのベト4を取り上げた時、本当はクライバーのがほしいと述べたことがありますが、それを実現してくれたのがディスクユニオンです。中古CDを主に取り扱っているからこそ実現される、素晴らしい店舗だと思います。
マイ・コレクション:ベートーヴェン 交響曲第2番・第4番
http://yaplog.jp/yk6974/archive/353
この時、私は「ヴァントを選ぶのが天啓だったのかもしれない」と述べています。そして、それはこのクライバーのを買いました今でも変わりません。ヴァントのおかげで、クライバーの演奏の素晴らしさを、他を否定せずに素直に受け入れることが出来ているからです。
クライバーのこの演奏のすごい点は、決してクライバーの快刀乱麻の指揮によるものだけではありません。ベートーヴェンの第4番はまず序奏から始まる、ベートーヴェンの交響曲の中でも一つの転換点の作品であることは案外知られていませんが、そこを素晴らしいアンサンブルで鳴らしているのです。
交響曲第4番 (ベートーヴェン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC4%E7%95%AA_(%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3)
序奏が終わり、ソナタ形式の第1主題が始まるところからテンポアップしていきますが、そこでもアンサンブルは完璧です。そしてそここそ、聴きどころなのです。
それは他の楽章でも一緒で、特に第4楽章の主題再現部でそれをじっくりと聴くことが出来ます。
そして、すごい点のもう一つが、ライブで実現されているという点です。スタジオ録音であれば、幾つか録音して繋ぐということも可能です。しかし、これはなかなかクライバーが指揮台に立たなかった1980年代のライブ録音なのです。1982年なのでまだ活動としてはある程度していた時期ですが、それでもウィーン・フィルとの不仲の時代の録音ですから、どうしても出演回数は減ってしまいます。そんな時のライブ録音なのです。
この時期はクライバーの円熟期とも言うべき時期でして、私はこの時期のクライバーの来日公演をテレビ(NHKで放送した、1986年の来日公演追加公演の4番と7番。昭和女子大学人見記念講堂)で聴いて彼の4番が聴きたいと思うようになったくらいです。
いずれにしても、精緻な演奏でありながら、決して生命力あふれる情熱を失わないのが、生で実現できていることが素晴らしいのです。
だからこそ、いま私はクライバー指揮のベト7が買えないかと思っています。ディスクユニオンであれば実現可能かもしれません。クライバーの録音は現在新規ではほとんど出回ることがなくなってしまっていますから。
私の見識を変えた一枚になりました。
聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第4番変ロ長調作品60
カルロス・クライバー指揮
バイエルン国立歌劇場管弦楽団
(ORFEO C 100 841 B)
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