かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:モーツァルト宗教音楽全集6

今回のマイ・コレはモーツァルトの宗教音楽全集の第6集です。ミサ・ブレヴィスK.140とK.192、そしてミサ・ロンガの3曲です。

まず面白いのが、K.140が収録されているという点です。この曲はモーツァルトの作品と扱うかどうかが評価の分かれ目になる作品なのですが・・・・・

http://ja.wikipedia.org/wiki/モーツァルトのミサ曲#.E3.83.9F.E3.82.B5.E6.9B.B2_.E3.83.88.E9.95.B7.E8.AA.BF.E3.80.8E.E3.83.91.E3.82.B9.E3.83.88.E3.83.A9.E3.83.AB.E3.

確かに過去いろんな議論を呼んだ作品であることは間違いないのですが、私は新全集を支持したいと思います。それは以前にもこのミサ曲でエントリを立てた時にも述べてはいますが。

モーツァルト ミサ・ブレヴィス ト長調K.140(Anh.C1.12)
http://yaplog.jp/yk6974/archive/174

「パストラレ・ミサ」とも言われるこのミサ曲は、クリスマス用であると言われています。具体的にそれに触れている史料はないのではっきりそうだとは言えませんが、所々に出て来るパストラーレ風の旋律はまさしくシシリアーノ的です。それからしますと、クリスマス用ということはあながち間違ってはいません。

アーノンクールがこのミサ曲を採用したのは単に新全集に収録されているからというだけではないように思います。やはり彼自身いろんな基礎資料に当たり、なおかつスコアリーディングをしたうえでだと思います。

続くK.192とミサ・ロンガはザルツブルク時代のミサ曲の特徴を本当によく伝えている作品です。いや、このCDに収められている3曲はいずれもその特徴である、短さを持っています。兎に角とことん短いのですから。でも、こういった編集を行うのであればできれば年代順に並べてほしかったと思います。

それができない理由は収録時間もさることながら、そのロケーションなのでしょう。ただ、私はそのロケーション故年代順にしてほしかったと思います。それに、アーノルト・シェーンベルク合唱団であれば、ロケーションがどこであろうとも各パートが浮き上がって聴こえ、アンサンブルが素晴らしいことが聴けば分かります(特にこのCDでは場所が教会であるにも関わらず!)。オルガンが聴こえるかどうかにアーノンクールはこだわっているのだなとこういった編集からもわかるんですが・・・・・

その点はとても難しいのかもしれませんが、もしこの音源で年代順に再構成したらいったいどうなるのか・・・・・ちょっとわくわくします。

それにしても、この3曲を収録して67分なのです。どれだけザルツブルク時代のミサ曲が短いのか、それだけでもわかろうというものですが、モーツァルトの苦労も偲ばれるタイムです。たとえば、先日ご紹介したシューベルトの各ミサ曲は最低30分はあります。ですから、ミサ曲がCDで3つ入るということはあり得ません。

聖なるものであるからこそいろんな修飾をしたいところですが、それを一切贅肉をそぎ落とし、簡素に仕上げている点は見過ごされがちです。旋律の華やかさだけが目立ってしまいますが、それはまさしく構成的に簡素であるからこそ、その華やかさが目立つわけで、その裏にはモーツァルトの苦労がたくさん詰まっている作品群です。

アーノンクールは解説ではそのあたりにはあまり触れていませんが、この一枚はそういった点に注目してほしいという意識があるのかもしれませんね。



聴いているCD
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
ミサ・ブレヴィスト長調K.140(K3=Anh.235d/K6=Anh.C1.12)
ミサ・ブレヴィスヘ長調K.192(186f)
ミサ・ロンガ ハ長調K.262(246a)
ドロテア・レッシュマン(ソプラノ)
エリーザベト・フォン・マグヌス(アルト)
ヘルベルト・リッペルト(テノール
ジル・カシュマイユ(バス)
アーノルト・シェーンベルク合唱団(合唱指揮:エルヴィン・オルトナー)
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
(Teldec WPCS-6487)



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