かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:モーツァルト交響曲全集 ピノック/イングリッシュ・コンサート編6

神奈川県立図書館所蔵CDピノック/イングリッシュ・コンサートモーツァルト交響曲全集の今回は第6集です。収録されているのは第20番と第21番、そして第26番と第27番です。

番号が飛んでいますが、作曲順であればこれで正解なのです。できれば、マリナー/アカデミーは収録している、K.126+K.163(141a)も収録してほしかったところです。

確かにこの順番でなんら不自然はありません。それに、第26番は3楽章制で、抜けているK.126+K.163(141a)も3楽章制であることを考えますと、むしろこの順番のほうが変遷を考えるときには大変役に立つと思います。

モーツァルト交響曲は番号のついたものだけで考えるべきではないのではということは前にマリナーのモダン演奏を取り上げた時にも述べましたが、このピノックのピリオドはそれを如実に証明したことになります。

できれば、モダンでもこういった全集があると、いろんな比較ができて面白いですし、また選択の幅が広がるので、教養が豊かになるのですが。

いつか、モダン演奏を作曲順で取り上げてみようかな〜って画策しています(笑)

今はいろんなデータ保存の仕方がありますから、何も作曲順にこだわる必要はないとも言えますが、しかしパソコンを持っていない方にとっては、デッキでCDを聴くことこそ音楽を聴く楽しみでもあるわけで、そのような人のニーズはどこまで拾い上げられているのかなと思います。

その意味でも、本来はモダンでもこういった作曲順の全集があるといいんですよね。

さて、演奏面で特徴としては、音の高低で強弱がきちんとついてきているということです。ここでふと思ったのは、もしかするとピノックは様式で持って表情のつけ方に差をつけているのかもしれない、ということです。

もう一度、ハイドンとの比較の表を見てみましょう。

18世紀の交響曲:作曲時期の比較
http://www.kanzaki.com/music/mw/sym/yc?s=18c

ちょうどモーツァルトがこの4曲を作曲した時期というのは、ハイドンで言いますと「シュトルム・ウント・ドランク」期に相当します。しかもその最後の作品、第50番、第51番、第64番と言った作品と同じ年(翌年の作品はもう「聴衆への迎合と実験」期の作品)です。ハイドンは楽章構成としては4楽章に固定化し、音楽的にはギャラント的なものから古典派的なものへとあきらかに変化していく時期に相当します。

そういった変化が、モーツァルトのいたザルツブルクにも押し寄せたということは想像に難くないでしょう。ハイドンとはまだこの時期全く交流がありませんが、音楽に触れたり、楽譜を見たりというのはしている可能性は十分あると思います。

それをピノックが演奏面で反映させているとしたら・・・・・

それにしても、それはギャラント様式でも同じだと私は思うのですが、確かにリフレインなどは様式的にあまりないですね。だとすれば、リフレインで弱くしないというのもうなづける話ではあるのです。ただ、完全にギャラントでもないので、少しだけつけてみるという感じになるというのであれば、納得する部分も多々あります。

まあ、そこまで考えて聴かなくてもいいんですけどね。でも、こういった細部まで考え抜かれて演奏されているということは評価すべき全集だと思います。

となると、残念なのはやはり戴冠ミサの演奏なんですよね・・・・・

マイ・コレクション:モーツァルト 戴冠ミサ ピノック/イングリッシュ・コンサート
http://yaplog.jp/yk6974/archive/493



聴いている音源
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
交響曲第20番ニ長調K.133
交響曲第21番イ長調K.134
交響曲第26番変ホ長調K.184(161a)
交響曲第27番ト長調K.199(161b)
トレヴァー・ピノック指揮、チェンバロ
イングリッシュ・コンサート



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