かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:デュトワとモントリオール響が教えるコダーイの世界

今回のマイ・コレは、「ハーリ・ヤーノシュ」をはじめとするコダーイ(古代、ではないのだよ、ヤマトファンの諸君 by デスラ―)の管弦楽作品集です。デュトワ指揮、モントリオール交響楽団です。

コダーイについては、ウィキペディアを参照していただくのがいちばん手っ取り早いかと思います。

コダーイゾルターン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%BE%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3

彼の専門、というよりは一番得意で作品数が多いのは実は合唱曲です。その彼にあって、一番有名な管弦楽作品が日本テレビのお天気番組の開始を伝える「ウィーンの音楽時計」を含むオペラからの組曲、「ハーリ・ヤーノシュ」です。

わたしはそれが管弦楽の中でどのような位置づけになっていて、全体的にはどんな作品なのかが知りたくて、10数年前これを購入しました。

ハーリ・ヤーノシュは簡単に言えば「眉唾もの」を取り扱った曲です。ハーリという大ぼら吹きが、いろんな自慢話をするのですが、冒頭くしゃみをすることから、いやいやこれは本当の話のようだぞ?と思わせつつ、音楽自体はおとぎ話としてまとめられています。それが、ハーリ・ヤーノシュです。もともとは同名のオペラでして、それを組曲としてまとめたものが今一番ポピュラーに聴かれています。そして、この「ハーリ・ヤーノシュ」が日本では一番有名になっています。

コダーイは先生が後期ロマン派ばりばりだったせいもあり、そのオーケストレーションは現代音楽とは一味違い、むしろもっと保守的な色合いが濃いものが多いです。むしろその時代性ということから言えば、それは彼が得意とした合唱曲のほうで全開なのですが、それはまた別の機会に話すとして、収録されている曲を聴きますと、私たちが彼が生きた時代を誤って考えているように思います。

私も、コダーイが現代に近い人だというのは、これを買って初めて知りましたし、その音楽が保守的であり、なおかつ素晴らしいのにびっくりしました。国民楽派の領域をほとんど出ていません。そのあたりが、彼の作品が基本的に日本では管弦楽が好まれて聴かれている一つの要因なのかもしれません。

それはほかの収録曲、マロシュセーク舞曲、ハンガリー民謡「孔雀」による変奏曲、ガランタ舞曲も同様の音楽です。

それをデュトワが振りますと、魔法がかかったような世界が広がります。きらびやかな艶のある音楽。コダーイってこんなにも素敵な音楽家なのか!と感じます。

一時期、それゆえにコダーイにのめりこんだ時期がありまして、彼の十八番である合唱曲へとたどり着いたのは言うまでもありません。一時期、それから思い切り離れ、それは今まで続いていたのですが、同時代のほかの作曲家を聴き始めた途端、さらに興味がわいてきています。

彼の管弦楽作品はそれほど多くないですが、そのほかも聴いてみたい!と今感じています。さらには彼の合唱曲も、また聴いてみたくなります。

恐らく、ようやく私は彼の音楽の本当の魅力に、気が付いたのだと思います。

本当は一曲ずつ紹介したいくらいの一枚です。



聴いているCD
コダーイゾルターン作曲
組曲「ハーリ・ヤーノシュ」
マロシュセーク舞曲
ハンガリー民謡「孔雀」による変奏曲
ガランタ舞曲
シャルル・デュトワ指揮
モントリオール交響楽団
(LONDON POCL-1629)