かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:シューベルト「白鳥の歌」

今日のマイ・コレは、シューベルトの歌曲集「白鳥の歌」と歌曲数曲です。独唱は「白鳥の歌」がヘルマン・プライ、数曲がクリスタ・ルートヴィッヒです。

録音年は1962年。これも昨日申しまたものと同じレコード会社から出ているものです。たぶん、この録音も以前メジャーレーベルから出ていたものなのではないかと思います。

昔はあまりこの手の演奏を出してくれるレーベルがなかったですからねえ。なかば海賊版か?というレーベルからよくでていたんですよね、こういう古い名演が。

プライの歌唱は本当に表情豊かです。どの曲を聴いても、絶望だけでなく、温かみも持っています。それがなければ、もしかすると私はこの世にいないのではないかというくらい、実は「白鳥の歌」もくらーい曲です。

この「白鳥の歌」、シューベルトがなくなったのちにまとめられたもので、一貫性がありません。唯一一貫しているのは、前半がルートヴィヒ・レルシュタープの詩、後半がハインリヒ・ハイネの詩であるということです。詳しくは下記ウィキペディアの項目をご参照ください。

白鳥の歌
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E9%B3%A5%E3%81%AE%E6%AD%8C

最後の「鳩の便り」だけがヨハン・ガブリエル・ザイドルの詩なのですが、これはのぞかれることもあります。シューベルトの絶筆と言われていますが、私はこの曲がないと「白鳥の歌」は死を誘発させるくらいとてつもなくくらい曲になってしまうのではないかと思います。それだけに、この曲を入れて歌っているプライには私は共感を覚えます。

続くのは、シューベルトの有名な歌曲です。「アヴェ・マリア」は正しくは「エレンの歌�V」と言われます。ただ、実際にはマリアを敬慕する歌なので、アヴェ・マリアのほうがあっているように私は思います。

鱒はピアノ五重奏曲にも使われた名曲ですし、魔王は中学校の音楽鑑賞の時間にロマン派の作曲家の作品として教材になっていますね。

白鳥の歌のとてつもなくくらい世界から、ぱっと明るい世界へと連れて行ってくれます。その皮切りとして「楽に寄す」を持ってきているのはセンスがいいですね〜。音楽に対する敬慕の念を歌い上げたものなのですが、私もとても共感する歌詞です。

シューベルトの音楽は甘いものが多いのは事実なんですが、しかし一方で気品も持っているのがシューベルトの甘美さの特色です。ルートヴィッヒの美声はそれを表現するのに十分すぎます。

ここで、やっとシューベルトの三大歌曲集のうち二つがそろったのですが、最後の「美しき水車小屋の娘」をそろえられたのは、もう少し後になってしまいました。それに関しては、またそのCDを取り上げるときに。



聴いているCD
フランツ・シューベルト作曲
歌曲集「白鳥の歌」cd.957
楽に寄す
アヴェ・マリア

糸を紡ぐグレートヒェン
死と乙女
魔王
ヘルマン・プライバリトン
クリスタ・ルートヴィッヒ(メゾ・ソプラノ)
ワルター・グリーン、ジェフリー・パーソンズ(ピアノ)
(ピジョン GX246)