かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ヴィヴァルディ 弦楽のためのシンフォニアと協奏曲集

今回の神奈川県立図書館所蔵CDはヴィヴァルディです。弦楽のためのシンフォニアと協奏曲集で、指揮はアンドレーア・マルコン、演奏はヴェニスバロック・オーケストラです。

県立図書館で借りた2度目のバロックになります。え、最初が抜けているよという読者の方はよほどこのブログのコアな読者の方ですねえ。ええ、そうです、抜けています。それは実は以前今月買ってきたCDを取上げたとときにご紹介しました、イタリア合奏曲なのです。それは実は全くパソコンでかかりませんでした。リッピング以前に、全く聴けない・・・・・

なくなく、そのまま図書館へ返却した思い出があります。だからこそ、それは買い求めたわけです。今回はそういうことがなく、無事に聴けることができ、なおかつリッピングできました。ですので、このコーナーで取上げられることになりました。

これを借りたときに、何と一緒にマーラーを借りているという、何とも私らしい借り方です。当時やっとマーラーが聴けるようになってきて、理解への第一歩を踏み出したばかり。当然、旋律がもっとはっきりとしたものも同時に聴きたいのが人情です。そのときに、棚に目をやってふと足が止まったのがバロックのコーナーでした。

そういえば、前借りたのは全然聴けなかったよな〜。今度は何か聴けるといいな・・・・・

確か、その当時ヴィヴァルディの管弦楽曲を同時鑑賞会で聴いたと記憶しています。そんなこともあって、シンフォニアと協奏曲ならバロックではポピュラー。借りてみようということになりました。

全12曲のうち、シンフォニアが3曲、協奏曲が8曲、合奏協奏曲が1曲という構成で、それぞれに作品番号がつけられています。実は、私は以前から四季がこのような構成の元入っているCDを探しているんですが(もともと「和声とインヴェンションの試み」という曲集に入っていますから)、そのまず橋頭堡的な役割を果たすものとして、この曲集を借りたのです。

構造的にも、すべてがいかにもバロックシンフォニアという形式もそうですし、また特に決まった独奏者がいない協奏曲というのも、バロックらしい初期の形の協奏曲が聴けます。また、合奏協奏曲という構造も全くバロックです。この中で古典派へと受け継がれていったのは協奏曲とシンフォニアで、それぞれ独奏者つきの協奏曲と交響曲と変化してゆきました。

そんなバロックのいわゆる愁眉ともいえる名曲になるわけですが、それを日本ではあまり知られていない指揮者と団体が演奏していて、しかもそのアンサンブルがすばらしいときています。

このオケはいわゆるピリオドですが、そんなことを全く感じさせないハーモニーで、こういう颯爽としたアンサンブルのすばらしい演奏を聴いてしまいますと、もうモダンでもピリオドでもどっちでもいいよという感じになります。演奏さえすばらしければ、どのアプローチでも全くかまわないと思います。最初の曲を聴いてもすぐにはピリオドとはわからないと思います。しばらく聴いて、「あ、ピリオドか」とわかる感じです。

ピリオドかモダンかを見分ける方法を一つお教えしましょう。よく、ピリオドは半音下がるといいますが、それを感じるのはよほど音楽をやられている方だけです。聴く専門という人のために、一つコツをお教えします。

それは、弦の音です。これが多少にごっているけど、でもハーモニーが合っているし、アンサンブルもいいなって聴こえましたら、それは間違いなくピリオドです。モダンですともう少し艶が出るんです。とにかく、下手ではないがなんか弦の音が変だぞ、と感じましたらほぼピリオドと判断して間違いないと思います。

特に、ピリオドの場合、性能がモダンに比べどうしても劣りますので、音をことさら伸ばしている場合が多いです。なんかモダンと違う音色で、ことさら音を伸ばしているなあと感じましたら、ピリオドだと疑ってよろしかろうと思います。

本当は実際の音でご紹介するのが一番いいのですが、文章でわかりやすく伝えるとすればこんな説明になるかと思います。そんな点に注目して聴いても面白いとおもいます。

モダンとは劣るものをどう指揮者とオケが共同作業でいいものに仕上げているかが、ピリオド楽器の音楽を聴く楽しみです。単に当時を再現したという点だけ注目してしまうと面白くなくなります。そんな点に注目して聴いてみていただきたいと思います。違った世界が広がってくるかと思います。

現在ピリオド楽器を使用して活躍されている団体は、ほぼそういう点に留意して演奏しています。当時に忠実というだけではありません。それは姿勢として当然のことで、それよりもやはりアンサンブルのすばらしさに重点を置いている方たちばかりです。

つまり、それはもうモダンの団体と姿勢的にほぼなんら変わらないのです。

そういう団体をそろえている点は、さすが図書館であるといえるかと思います。

ただ、ご多分に漏れず、モーツァルトまでそれを徹底しているとは思いませんでしたが・・・・・

でも、いずれこのコーナーでご紹介しますが、ハイドンはむしろモダンで交響曲が全部そろっていて、ピリオドは途中までという中途半端な部分もあるわけですから、目が離せません。

というより、わけわからん!というのが私の本音なんですけどね^^;

まあ、税金で運営されているわけですから、我慢我慢、です。



聴いている音源
アントニオ・ヴィヴァルディ作曲
弦楽のためのシンフォニアと協奏曲集
アンドレーア・マルコン指揮
ヴェニスバロック・オーケストラ
(元CD:アルヒーフ UCCA-1067)