かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:シベリウス管弦楽作品集

今週のマイ・コレは管弦楽曲集二つを取上げます。今回は、シベリウス管弦楽曲集です。指揮はヘルベルト・フォン・カラヤン、演奏はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団です。

このCDは私の初カラヤンになります。といっても実際はこれが始めて聴くカラヤンではありません。家にはLPで英雄がありましたし、また、中学校の音楽の時間の音楽鑑賞のコーナーで、運命を聴いています(どうやら同時、カラヤンの運命は文部省指定になっていたようです)。

英雄はとてもいいと思っていましたが、運命は私はワルターで聴いていたのがとても気に入っていたので、たたたたーん♪の運命主題の部分を快速で駆け抜けるカラヤンがどうしても気に入らなかったのです。

そのため、私はこのCDを買うまで徹底的にカラヤンだけは避けていました。それが、カラヤンの指揮を買うきっかけになったのは、冒頭が「フィンランディア」だったからです。そう、フィンランディアが聴きたくて、私はこのCDを買い求めました。

フィンランディアは、中学校時代、学内合唱コンクールの課題曲でした。そんな関係もあって、実は中学校時代からよく聴いていた楽曲でした。それが高校に入って我家にCDプレーヤーが来て、自分でCDを買うようになってから、フィンランディアへの想いが日に日に強くなってゆきました。

もともと、最初のCDがマーチで、しかもそれは自衛隊という、国防や国家の自立ということに非常に興味を持っていた少年でしたから、フィンランディアに興味を持つことはある意味自明の理だったように思います。

このCDに収められている楽曲は以下の4曲です。

交響詩フィンランディア」作品26
トゥオネラの白鳥 作品22-3
・悲しきワルツ 作品44
交響詩「タピオラ」作品112

シベリウスの若年時代から、壮年、そして晩年と、それぞれから代表する楽曲が収められています。ただ、もう少し聴きたいなという感じが当時あったのは事実です。全体で43分ほどで終わってしまいますし、ちょっと短いと思ったのは事実です。

ただ、「タピオラ」がマーラーの5番並みになかなか理解できない難曲でして、当時はなかなか雰囲気しか味わえなかったですね。今ではいろんな知識を持っていますから逆にマーラーの5番よりははるかにすっとその世界へと入ってゆけます。

どの曲もカラヤンですから悪かろう筈がないんですが、このCDを買ってもまだ、私は「カラヤンの指揮は合う、合わないが激しい」と思い続けていました。それが払拭されるには、もう数年程度の月日が私には必要でした。それについては、またの機会に譲りましょう。

このCDの解説にも書かれてあることなのですが、この演奏を収録した当時、カラヤンベルリン・フィルの関係はある意味冷え切っていました。団員問題でもめている最中だったのです。では、それがアンサンブルにまで影響しているかといえば、それが全くないのです。統率が良く取れていて、ダイナミクスさも抜群。いかにもカラヤン/ベルリン・フィルの演奏という感じです。

つまり、プロ根性がある、ということを示す一枚でもあります。プロはこういうものさ(byポルコ・ロッソ)と言いたげです。いざこざはいざこざ、でも、演奏は別。日本人からすればちょっと信じられない部分ではありますが、これが欧米流なのだなと見せ付けられた一枚です。

フィンランディアは今でもよく聴く曲で、特に日の丸がかかげられるような場面では必ずといっていいほど聴いている曲ですが、そのフィンランディアをきっかけにいろんなことを教えてもらった一枚です。



聴いているCD
シベリウス管弦楽曲
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ドイツ・グラモフォン F35G 50070)