かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

友人提供音源:アファナシエフのブラームス

毎週金曜日の「友人提供音源」のコーナー、今日はアファナシエフブラームスです。収録曲は3つの間奏曲作品117、ピアノのための6つの小品作品118、4つの小品作品119と、カップリングはヤナーチェクの「霧の中で」です(これだけは、児玉桃の演奏)。

この演奏もFM音源です。この音源をいただいた理由は、やはりグルダにあります。彼のピアノに衝撃を受けて、もっとピアノ曲が聴きたいと思ってお願いしたものです。しかも、ブラームス晩年の作品が作品番号で3つ連続で並んでいるのです。当時、確か他にブラームスのピアノ協奏曲第1番もいただいていて、その衝撃もありました。そのため、この音源をお願いしました(ブラームスのコンチェルトはまだ演奏者等がデータ未整理のためわかっていないので、取上げません)。

この作品群、最近私のマイミクさんも取上げられていますが、本当に切ない曲ばかりです。今聴いていても涙が出てきそうになります。いや、出てきてしまうかも・・・・・・

パソコンは便利ですね。こういう切ない曲を聴いていても、その文章が涙でにじまなくてもすみます。ただ、それはいいことなのか・・・・・文章のクオリティはいいのでしょうが、本人のせつなさや悲しみ、愁いといったものは伝わらない・・・・・

もし、私が死んで、この文章が遺品として残ったとします。そのとき、本人がどのような心理状態だったかなんて、パソコンデータの原稿では専門家がかなりプロファイリングしないとわからないでしょう。でも、これが紙ならば、もし文字が涙でにじんでいれば、いかに悲しかったのか、愁いを持っていたのか、わかるのではないかという気がします。

ちょっとネガティヴな方向へ行ってしまいましたが、この3つの曲はどうしてもそんなことを考えざるを得ない曲で、まるで晩年の孤独なブラームスを表現しているかのようです。彼は死ぬまで独身でした。そんな身の上をどうしても感じざるを得ません。

ブラームスという作曲家ほど、自分の気持ちに正直な方もいません。若いときはそれでもベートーヴェンの影響が強くて(それは生涯でもありましたが)それを押し隠す部分もありましたが、晩年の作品はもっと前面に押し出しているように思います。アファナシエフはそれを淡々と演奏してゆきます。それがどうしても涙を誘わざるを得ません。

それはもしかすると、同じように独身であるという、自分の身の上とかぶるからに相違ないのではと思っています。

え、結婚したくないのかって?そうですねえ、今はどうでしょうかねえ。私もアラフォーですから、それを理解してくださる方がいらっしゃれば決断するでしょうが、今はそれほど積極的に考えているわけではありません。それに、それどころではない、まず自分のことをしっかりと見つめなおさなくてはいけない部分があって、それのほうが今は大事です。それがなされて、もしこんな年齢の人でもいいという人がいれば、そのときは結婚を考えるでしょう。

それに、いまだ自分の中に生ということに対していろんな感情があるので・・・・・今は、そんなことを考えられません。

ですので、当分結婚することはないでしょう。ただ、それで寂しくないのかと言えばうそになります。でも、それは自分が選んだ道です。それでも、前を向いて歩いて行きたいと思っています。

ブラームスには、彼の音楽を理解してくれる女性がいました。シューマンの妻、クララです。事実上彼女とできていたという話もあるくらい、彼の音楽の理解者で、擁護者でもありました。実際、シューマン夫妻の力によってブラームスは世に出たのです。彼はシューマン夫妻に足を向けて眠れない立場にありました。と同時に、それは彼の人生を支えた女性との出会いでもあったのです。

彼の音楽を聴くたびに、私はそんな女性との出会いと別れをどうしても思い出さざるを得ません。私自身にも、そんな出会いがありました。あまり公にするのは差し控えさせていただきますが、彼女は私の音楽に対する姿勢の理解者でした。しかし、私は家族との関係からその彼女との関係を自然消滅させました。それも、私自身の人生の決断ですし、仕方ないことです。でも、寂しさも当然あります。

ですから、次のチャンスはできるだけ逃したくないという気持ちだけは持っています。しかしながら、年齢がその出会いを非常に狭めていることは確かで、この先そうそうチャンスはめぐってきません。

あまり期待をせずに、生きてゆきたいというのが本音です。それはブラームスの音楽からも伝わってくるだけに、切なさを感じざるを得ないのです。

このブラームスの3曲、いいよねっていう女性が、私の年齢でもいいと言ってくだされば、考えたい・・・・・そう思います。

カップリングのヤナーチェクもすばらしいのに、どうしても私の身の上が、それをかすませてしまいます。でも、児玉桃さんの演奏はすばらしいのです。哀愁帯びている彼の音楽を特に声高に叫ぶようなことをせず表現しています。それもとても涙を誘う・・・・・

これ以上書いていますと、もう不安定になりそうなので、今回はここらで失礼いたします。それだけ、ブラームスのこの3曲には彼のおもいが詰まっているように思います。



聴いている音源
ブラームス 3つの間奏曲他
ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ)
児玉桃(ピアノ)※ヤナーチェク
(非売品)